就労移行支援事業について解説してきましたが、聴覚障害者向けの就労移行支援はどこが良いのでしょう
過去記事で就労移行支援に触れてきましたが、聴覚障害者が利用できる就労移行支援を調べるとなかなか出てきません
就労移行支援の利用者の多くは、自身の障害特性を把握しにくい「精神障害」や「発達障害」であり、「聴覚障害」に焦点を絞ると情報を得にくいですね
とはいえ、もちろん聴覚障害向けにサービス提供している事業もあるため、全国展開している事業所に絞って情報をまとめてみました
事業所選びの重要性、ポイントと合わせて紹介します
【参考記事】
福祉的就労とは 〜一般就労との違いと就労継続支援を利用した働き方〜
【参考記事】
就労移行支援の活用 〜障害者の一般企業入社への手引きとなるサービス〜
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就労移行支援事業所を選ぶポイント
事業所選びが大事な理由
事業所の質はピンキリ!
就労移行支援事業所、就労移行支援事業による一般就労への移行率は共に増加傾向にあり、盛んな事業と言えます
そして、一般就労への移行率は約20%強となっています
この就労移行率20%強という数字、業界全体でほとんどの事業所が15〜25%に収まっているのなら、事業所選びに時間を費やす必要はないのですが、残念ながらそうではありません
平成28年の調査では、一般就労への移行率が20%以上の事業所が51.9%ある一方で、移行率が0%の事業所が3割弱となっています
移行率20%以上の事業所割合は平成20年度から28年度までで30ポイント増加している一方、移行率0%の事業所割合は平成20年度から、約3割からほぼ変化がありません
実績を上げている(就労移行率が高い)事業所が増えている一方で、実績が伴わない(就労移行率が低い、無い)事業所も一定数ある状況です
就労移行支援を活用できるのが2年と決まっている中で、実績がない事業所を選んでしまったら時間がもったいないです!
このような事実から、事業所選びはとても重要ということが言えます
事業所選びで見るポイント
事業所選びでは何を見て選択すべきかを解説します
①自分の障害がサポート対象になっているか
大前提として自身の障害が支援対象になっているか、得意とする分野かは抑えなければいけません
気になる事業所があればまずはホームページの確認、問い合わせをして、確認しましょう
②通所できる距離か
こちらも大前提ですが、週3程度通うすることになるため、自宅から行ける事業所を選ぶ必要があります
交通費が出ないところがほとんどなので、経済的にも合理的です
③就労実績
「事業所選びが大事な理由」でも記載しましたが、事業所の質はピンキリです
一般就労の移行率の全国平均がおおよそ20%強なので、最低限25%以上は必要と考えます
④定着率
せっかく就職ができても、すぐに辞めてしまっては意味がありません
就労後は継続的に仕事に取り組めるように「就労定着支援」という支援があるため、そのような支援体制が整っているかを確認しましょう
また、事業所のホームページに定着率(就労してから6ヶ月間継続して仕事を続けられているか)が掲載されている場合は要チェックです
⑤実際のプログラム、事業所の雰囲気
①〜④はホームページや事前の問い合わせで確認できますが、最後の決め手は実際のプログラム、事業所の雰囲気です
プログラムは自分が必要とするスキルを身につけられそうか、スタッフや事業所全体の雰囲気は自分と合っていそうか
①〜④を事前に調査した上で2、3ヶ所の事業所へ訪問して確認するのが良いです
就労移行支援事業所の3分類
就労移行支援事業所は「総合型」「障害特化型」「専門スキル特化型」の3タイプあります
各タイプの特徴を確認し、自分に合う事業所選びのポイントにしましょう
総合型
ほぼ全ての障害に対応しており、大手事業所が多いです
そのため事業所数も多く、比較的通所しやすい地域も多くあります
反面、プログラムは事務系に特化している場合が多いので、事務系就職を目指したい人に向いているといえます
障害特化型
特定の障害に特化している事業所なので、自分の障害にあった支援を受けられやすくなります
反面、全国展開している事業所はなく、必然的に地域密着型の事業所となります
専門スキル(主にIT)特化型
「習得したいスキル」に焦点を当てた事業所で、IT系のスキルに特化した事業所が多いです
障害特化型と同様、全国展開している事業所は少ないです
聴覚障害におすすめの就労移行支援事業所
就職率や定着率等の実績をもとに候補を選択しました
聴覚障害の受け入れを行なっているか確認済みですが、総合型は事業所によって得意不得意もあります
通所する事業所候補を選定したら、必ず問い合わせ、または見学へ行き、聴覚障害の受け入れ体制について確認することを勧めます
事業所 | リタリコ | ミラトレ | ウェルビー | atGPジョブトレ聴覚障害コース |
分類 | 総合型 | 総合型 | 総合型 | 障害特化型 |
特徴 | 就労移行実績No1 | 就職に強い「パーソルホールディングス」 の特例子会社 | 就労移行実績No2 | 大手には珍しい障害特化型 |
公開就労実績 | 累計就職者数 11,000人以上 | 就職率85% | 累計就職者数5,415名 | 就職率94.5% ※事務職 |
定着率 | 91.3% | 90% | 90.5% | 91.4% |
事業所数 | 106 | 14 | 101 | 1 |
エリア | 札幌/仙台/東京/神奈川/ 埼玉/千葉/群馬/栃木/ 愛知/静岡/大阪/兵庫/ 京都/岡山/広島/福岡/宮崎/沖縄 | 東京/神奈川/千葉/埼玉/愛知 /大阪/兵庫 | 北海道/宮城/福島/栃木/群馬/ 埼玉/千葉/東京/神奈川/新潟/ 富山/石川/長野/静岡/愛知/ 三重/滋賀/京都/大阪/兵庫/ 奈良/和歌山/岡山/広島/香川/ 愛媛/福岡/長崎/熊本/鹿児島 | 東京 |
リタリコ(総合型)
就労実績 | 累計就職者数 11,000人 |
定着率 | 91.3% |
事業所数 | 全国 106事業所 |
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就労実績が業界No1で聴覚障害者にももちろん対応しています
事業所数も多いため、まずは候補に入れたい事業所です
業界No1だけあって、特筆すべき弱点はないのですが、逆に言えばIT系等に特化したサービスは提供していません
また、スタッフがいつも忙しそうにしているという口コミもあったため、実際に事業所へ行って雰囲気を確認してから判断した方が良いでしょう
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ミラトレ(総合型)
就労実績 | 就職率85% |
定着率 | 90% |
事業所数 | 全国 14事業所 |
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ミラトレは「パーソルチャレンジ」が運営するサービスで、パーソルグループの特例子会社です
パーソルグループは就職に関するサービスを多く展開しており、代表的なサービスに「ミイダス」「doda」「テンプスタッフ」があります
グループ全体として「就職」に関するノウハウが高く、ミラトレでもその恩恵が期待できます
また、従業員の多くが障害者であり、障害への理解レベルが高いです
大手系の中では14事業所とやや少なく、通所できるエリアが限られます
通所できるエリアの人は候補に入れて体験をするのがオススメです
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ウェルビー(総合型)
就労実績 | 累計就職者数5,415名 |
定着率 | 90.5% |
事業所数 | 全国 101事業所 |
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就労実績数業界2番手のウェルビーは事業所数が多いだけでなく、多くの都道府県に進出しています
上述したリタリコ、ミラトレには通所できなくてもウェルビーであれば通所できるというエリアも多いのではないでしょうか
定着率も90.5%と高いだけでなく、実績を伸ばし続けています
担当支援員の転勤や変更が気になるという口コミが目立ちました
大手全般に言えることかもしれませんが、気になる人は要注意です
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atGPジョブトレ 聴覚障害コース(障害特化型)
就労実績 | 就職率94.5% |
定着率 | 91.4% |
事業所数 | 1事業所(東京) |
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運営会社のゼネラルパートナーズは「atGP」の商標で障害者の総合就職、転職サービスの事業を展開し、障害者就職に強い運営母体です
atGPジョブトレは「うつ病コース」「発達障害コース」「統合失調コース」「聴覚障害コース」「難病コース」と障害ごとに特化した5つのコースを用意しており、全国展開する企業の中では珍しく聴覚障害コースを用意しています
聴覚障害に特化しているだけあり、「中途失聴」「難聴者」「ろう者」とコミュニケーションが取れるように手話、チャット、筆談、音声認識ソフト等を利用し、聴覚障害者に寄り添った体制があります
できるだけ全国展開している事業所を紹介したいと思いましたが、聴覚障害特化で事業展開している事業所は見当たらず、atGPも聴覚障害コースは東京(大手町)のみです
就職率、定着率共に高い数値ですが、累計就職者は不明で、まだまだこれからの事業所という位置付けです
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