障害年金や公共交通機関の割引、映画や娯楽施設の利用料割引等、様々な制度、サービスを利用するために必要な障害者手帳
自身の身分、障害の状況を示す証明書の役割もあるため、大事な大事な手帳です
大事な手帳であることは理解していますが、そもそも障害者手帳とは?障害者手帳でできることってなんだろう?と思いました
そこで、障害者手帳に焦点を当て、意義や役割、利用できるサービスについて調べてみました
このブログでは聴覚障害について焦点を当てて、障害者手帳についてまとめまています
また、障害者手帳のアプリ化されました
そちらは別の記事でまとめましたよろしければご参考にして下さい
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障害者手帳の意義と役割
障害者手帳は、身体的・精神的な障害を持つ人々が社会生活を送る上で必要なサポートを受けるために、日本国内で発行される公的な証明書
障害者手帳は「身体障害者手帳」「精神障害者保健福祉手帳」「療育手帳」の3種類があり、各制度の根拠となる法律、対象となる障害等はそれぞれ異なります
しかしながら、いずれの障害者手帳も、所有することで障害者総合支援法のもと、様々な支援・サービスを受けることは共通しています
聴覚障害はもちろん「身体障害者手帳」だよ
聴覚障害は聞こえる音量(dB)によって、障害重度を分類されます
聴覚障害について詳しく知りたい方はこちらをご参考にしてください
【参考記事】難聴、難聴障害の定義と分類
障害者手帳で受けられるサービス
障害者手帳を取得すると様々な福祉サービス・支援を受けられるようになります
医療費補助
障害者の方は通院や投薬等で通常よりも医療費が高くなりやすいため、医療費補助が用意されています
主に国の医療費補助「自立支援医療」、自治体の医療費補助「障害者医療費補助制度」があります
国の医療費補助 自立支援医療
心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の事故負担額を軽減する公費負担医療制度で、対象者によって3種類に分かれています
制度 | 対象者 | 対象医療 |
精神通院医療 | 統合失調症などの精神疾患を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する者 | 継続的な通院による精神医療 |
更生医療 | 身体障害者手帳の交付を受けた者(18歳以上) | 対象となる障害の除去・軽減が確実に期待できる手術等の治療 |
育成医療 | 身体に障害を有する児童 (18歳未満) | 対象となる障害の除去・軽減が確実に期待できる手術等の治療 |
聴覚障害に関係するのは「更生医療」と「育成医療」です
人工内耳の埋込は対象となる可能性が高いため、検討している人は都道府県に確認すると良いでしょう
補助内容ですが、所得に応じて一月あたりの上限事故負担額が設定されています
厚生労働省HPにおおよその目安が記載されているので、転記します
多くの人は1割負担、または5千円〜1万円が上限負担額となります
自治体の医療費補助 障害者医療費補助制度
「障害者医療費助成制度」等の医療費の助成があります
市町村が運営している制度なので、住んでいる場所で対象者や助成内容は違いますし、名称も微妙に異なる場合があります
例を挙げると自己負担金が1割、1回につき自己負担金が500円 というところが多いようです
自分の住んでいる役所へ問い合わせたり、HP等で確認してみましょう
愛知県は医療費は基本的に無料です
補装具・日常生活用具
補装具費支給制度
補装具の購入または修理で必要な費用について利用者負担が原則1割で済む制度
聴覚障害の方はこの制度を利用して補聴器を1割負担で購入することが可能です
ただし、障害者本人または世帯員のいずれかが市町村民所得税46万円以上納付している場合は対象外となります
実施は自治体になるため詳しくはお住まいの市町村へ問い合わせてください
日常生活用具の給付
障害者等の日常生活がより円滑に行われるための用具を給付、または貸与する制度です
市町村が実施しなければならない事業として国が定められています
一方で、対象者や支給対象となる日常生活用具も市町村ごとに異なるため、利用するには役所への確認が必要です
給付対象の種目としては以下の通りです
区分 | 詳細 |
介護・訓練支援用具 | 特殊寝台、特殊マットその他の障害者等の身体介護を支援する用具並びに障害児が訓練に用いるいす等のうち、障害者等及び介助者が容易に使用できるものであって、実用性のあるもの |
自立生活支援用具 | 入浴補助用具、聴覚障害者用屋内信号装置その他の障害者等の入浴、食事、移動等の自立生活を支援する用具のうち、障害者等が容易に使用することができるものであって、実用性のあるもの |
在宅療養等支援用具 | 電気式たん吸引器、盲人用体温計その他の障害者等の在宅療養等を支援する用具のうち、障害者等が容易に使用することができるものであって、実用性のあるもの |
情報・意思疎通支援用具 | 点字器、人工喉頭その他の障害者等の情報収集、情報伝達、意思疎通等を支援する用具のうち、障害者等が容易に使用することができるものであって、実用性のあるもの |
排泄管理支援用具 | ストーマ装具その他の障害者等の排泄管理を支援する用具及び衛生用品のうち、障害者等が容易に使用することができるものであって、実用性のあるもの |
居宅生活動作補助用具(住宅改修費) | 障害者等の居宅生活動作等を円滑にする用具であって、設置に小規模な住宅改修を伴うもの |
自宅に屋内信号装置をつけたい場合は自治体の日常用具給付制度を確認した方が良いです
税金の軽減
障害のある方は様々な障害者控除や特例を受けることができます
①所得税
27万円の控除があります
②相続税
障害者が85歳に達するまでの年数1年につき10万円が控除されます
③心身障害者扶養共済制度に基づく給付金の非課税
まず「心身障害者扶養共済制度」についてですが、障害のある方を扶養している保護者が毎月一定の掛金を納めることで、保護者が亡くなった時に障害のある方に一定額の年金を支給する制度です
掛金は所得控除の対象となり、支給される額は非課税対象です
④小学貯蓄の利子等の非課税
350万円までの預貯金等の利子は非課税となります
⑤自動車税
障害者手帳を持っていると減免対象になります
地方自治体により減免対象や内容が異なるため、各自治体の優遇制度を確認する必要があります
参考外部リンク:国税庁HP
自動車税は手続きが少し面倒だけど助かります
公共料金の割引サービス
電車やバス、高速道路
電車やバスの乗車券は割引対象になります
対象者や割引率等は各会社で異なりますが、多くは「障害者本人と付き添いの人が通常の乗車券の半額程度」になるところが多いです
また高速道路の利用料も通常料金の半額で利用することができます
高速道路は事前に使用する自動車を登録する必要があるため、一手間かかります
NHK受信料
NHK受信料は半額、または全額免除になります
詳しくは参考記事をご覧ください
携帯電話利用料
ドコモ、au、ソフトバンク携帯電話の利用料も障害者むけの割引サービスが用意されています
しかし、オンラインプラン(ahamo、povo、UQモバイル、ワイモバイル等)には適用されず、対象はキャリアプランのみなので、多くの人は格安SIMを利用した方が安いのではないかと思います
キャリアプランが良い!という強いこだわりのある人には恩恵のあるサービスだと思います
障害者雇用
障害のある方一人一人の特性に合わせた働き方ができるように、企業や自治体などが障害のある方を雇用する制度
障害者雇用促進法により、障害者の法定雇用率(最低限雇用しないといけない割合)が定められており、雇用率を下回る事業主は罰金が課せられます
雇用率に加算されるのは障害者手帳を持っている人となるので、障害者手帳を持つことで受けられる恩恵といえます
民間施設の割引サービス
多くの施設が障害者に対して割引サービスを行っています
映画館、美術館、博物館、テーマパーク、文化遺産、、、上げてたらキリがありません 笑
また、付添人1名まで障害者同様の割引を実施していることも多いです
行きたいところがあれば障害者割引があるか調べてみましょう
ディズニーランドは障害者割引だけでなく、聴覚障害者向けに様々な工夫がされています
別の記事でまとめているのでご参考に
最後に 〜障害者手帳を理解して活用しよう〜
障害者手帳について、改めて調べると様々なメリットがあることに気付かされました
手帳の申請は手間がかかるし、中には障害者手帳を持ちたくないという方もいるようですが、個人的にはデメリットよりもメリットが多いように感じます
また、冒頭でも記載しましたが障害者手帳はアプリ化されています
そちらは別記事にまとめましたので、よろしければご参考にして下さい
今回の記事がお役に立てれば幸いです
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