手話奉仕員養成講座(入門過程)を受けてみてのレビューです
手話に関係する資格には大きく分けて「公的」「民間」があり、手話奉仕員は市町村が運営する「手話奉仕員養成講座(入門過程、基礎過程)」を修了することで得られる資格です
正直、妻と会話できれば良いと思っていたので公的資格にはあまり興味がなかったのですが、手話と関わっていく中で、ちゃんと手話を勉強したいと思い始め、手話奉仕員養成講座を受講し始めました
受講の前後で手話奉仕員養成講座に対してのイメージが変わったので、本記事にてまとめます
このブログは聞こえない妻(リヨン)と聞こえる夫(ナンゴー)が運用しています
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基礎課程の所感は下のページをご参考に
手話奉仕員と手話奉仕員養成講座について
手話奉仕員とは
手話奉仕員は市町村が実施する手話奉仕員養成講座を修了すると、各市町村の手話奉仕員として登録されます
手話奉仕員登録後の活動は「聴覚障害者の生命や権利に関わる通訳業務は担うべきではない」とされており、ボランティアの範囲内で手話通訳を担います
手話奉仕員養成講座の問合せ先、受講条件、受講料
手話奉仕員養成講座の運営は市町村に委ねられているので、お住まいの市町村の福祉課等に問い合わせをして下さい
講座の募集時期、受講期間は決められているため、事前に確認をする必要があります
ほとんどの市町村の受講条件は「市町村に在住または通勤している18歳以上」であって、特別な受講条件はありません
また、受講料は教材費のみ(数千円程度)で済むため、かなり良心的な価格です
手話奉仕員養成講座の目標とカリキュラム
こちらは厚生労働省のホームページから確認することができます
対象者 | 手話の学習経験がない者等 | |||
養成目標 | 聴覚障害、聴覚障害者の生活及び関連する福祉制度等についての理解と認識を深めるとともに、手話で日常会話を行うに必要な手話語彙 及び手話表現技術を習得する。 | |||
カリキュラム構成 | 入門課程 | 35時間 | 到達目標 | あいさつや自己紹介程度であれば、相手の簡単な話を理解し、会話が可能なレベル |
養成目標 | ①簡単な日常会話に必要な語彙(目標語彙数600 語)を習得する。 ②簡単な日常会話に必要な基本的な表現を習得する。 ③音声言語と手話のしくみの違いを理解する。 | |||
基礎課程 | 45時間 | 到達目標 | 日常生活に関する身近で簡単な事柄について、相手の話を理解し、簡単な語句や基本的な表現を用いて会話することが可能なレベル | |
養成目標 | ①日常会話に必要な語彙(目標語彙数:600 語に新たに400 語を追加)を習得する。 ②日常会話に必要な基本的な表現と読み取り能力を習得する。 ③会話を通して実践的なコミュニケーション能力を習得する。 |
カリキュラムは入門課程(35時間)、基礎課程(45時間)の二つの課程があり、大体は入門課程終了後、基礎課程を受講します
手話奉仕員と民間手話検定のレベル
手話奉仕員と民間手話検定(全国手話検定、手話技能検定)の難易度を覚える単語数を基準に比較してみました
覚えるべき単語数 | 手話奉仕員 | 全国手話検定 | 手話技能検定 |
100 | 入門課程 | 6級 | |
200 | 5級 | ||
300 | 5級 | ||
400 | |||
500 | 4級 | ||
600 | |||
700 | 基礎課程 | ||
800 | 4級 | ||
900 | |||
1,000 | 3級 |
全国手話検定、手話技能検定については以下の参考記事を参考にしてください
あくまで単語数だけでの判断ですが、手話奉仕員の基礎課程まで修了すれば、全国手話検定4級、手話技能検定3級と同等レベルと言えます
これくらいのレベルをまずは目指したいということであれば手話奉仕員の受講はメリットがあります
実際に受講してみての所感
手話奉仕員登録のために必要な講座であるため敷居が高かったのですが、参加してみるとそんなイメージが変わりました
僕が受講した地域では「車」「箱」等のモノをまずは身振りで表現してから、手話で表現しました
このような体験をしながら、「手話がなぜ必要なのか」「手話と身振りの違い」等の基本的なことを教えてくれます
全体的に、とてもゆっくり、時間をかけて手話、指文字を覚えるとこから始まり、手話に慣れることから入るので、手話を体系的に、かつ丁寧に学べます
また、講師はろう者の方+手話奉仕員の補佐という体制で実施するので、ろう者の生きた手話を経験しつつ、手話奉仕員の解説で大事なところを飛ばすことなく学ぶことが可能です
イメージで勝手に敷居を上げていましたが、初心者ほど手話奉仕員は有用な手話勉強の場だと思いました
講座の進行や教える方法は各自治体によって違うので注意して下さいね
最後に 〜手話奉仕員講座と手話サークルの併用がオススメ〜
手話奉仕員養成講座では手話を体系的に、丁寧に学ぶことができますが、一方で普段から手話で会話をしているろう者や聴覚障害者と交流することも大事です
学校で英語の文法や基本を学びますが、結局は外国人と英語で会話する方が生きた英会話を見つけることができますよね
手話奉仕員養成講座も手話サークルも、また他の場でも、手話で会話し続けることが一番の手話上達になると思います
手話の勉強の独学から次のステップを目指す方は、お住まいの手話奉仕員養成講座についてぜひ確認してみて下さい
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