身体的な障害のある人は日常生活で特殊な用具を必要とする場合があります
特殊な用具のため、用意するのに高額になる場合も多く「価格的に手が出せない!」というものも多くあります
そのような場合、「日常生活用具給付制度」を利用することで安価に特殊な用具を揃えられることもできます
本ページでは、聴覚障害者が利用できる日常生活用具普及制度についてまとめます
残念ながら私は条件に満たないので利用はできません😭
我が家では利用条件に合いませんでしたが、制度について色々調べたので記録します
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似た制度に「補装具費支給制度」があります
今回の「日常生活補助具制度」と合わせて活用したいです
日常生活補助具制度の概要
市町村が行う地域生活支援事業の内、必須事業の一つとして規定。
引用元:厚生労働省HP
障害者等の日常生活がより円滑に行われるための用具を給付又は貸与すること等により、福祉の増進に資することを目的とした事業である。
簡単に言うと「身体が不自由な方が、普段の生活で特別必要になる日常生活用具を購入するとき、その費用の一部を支給してもらえる」制度です
この制度は障害者総合支援法にて定められていますが、運用は市区町村が実施しており、その支給の条件や内容については地域によって異なります
自分が住んでいる地域の条件や内容は役所で確認する必要があるので注意してください
日常生活用具の種類と聴覚障害者が利用できる用具例
「概要」で支給条件、内容には地域差があると記載しましたが、大枠は国から定められており、以下の6種類に分けられています
用具の種目 | 用途及び形状 |
介護・訓練支援用具 | 特殊寝台、特殊マットその他の障害者等の身体介護 を支援する用具並びに障害児が訓練に用いるいす等のうち、障害者等及び介助者が容易に使用できるものであって、実用性のあるもの |
自立生活支援用具 | 入浴補助用具、聴覚障害者用屋内信号装置その他の障害者等の入浴、食事、移動等の自立生活を支援する用具のうち、障害者等が容易に使用することができるものであって、実用性のあるもの |
在宅療養等支援用具 | 電気式たん吸引器、盲人用体温計その他の障害者等 の在宅療養等を支援する用具のうち、障害者等が容易に使用することができるものであって、実用性のあるもの |
情報・意思疎通支援用具 | 点字器、人工喉頭その他の障害者等の情報収集、情報伝達、意思疎通等を支援する用具のうち、障害者等が容易に使用することができるものであって、実用性のあるもの |
排泄管理支援用具 | ストーマ装具その他の障害者等の排泄管理を支援する用具及び衛生用品のうち、障害者等が容易に使用することができるものであって、実用性のあるもの |
居宅生活動作補助用具(住宅改修費) | 障害者等の居宅生活動作等を円滑にする用具であって、設置に小規模な住宅改修を伴うもの |
さらに、具体的な用具例が記載されており、聴覚障害者が利用できそうなものは以下のものになります
※あくまで例であり、市区町村ごとに異なることに注意
用具の種目 | 具体例 | 対象者 |
自立生活支援用具 | 火災警報器 | 障害種別に関わらず火災発生の感知・避難が困難 |
自動消火器 | 障害種別に関わらず火災発生の感知・避難が困難 | |
聴覚障害者用屋内信号装置 | 聴覚障害 | |
情報・意思疎通支援用具 | 携帯用会話補助装置 | 音声言語機能障害 |
聴覚障害者用通信装置/ファックス | 聴覚障害/聴覚又は音声機能若しくは言語機能障害で、電話では意思疎通困難 | |
聴覚障害者用情報受信装置 | 聴覚障害 | |
福祉電話 | 聴覚障害又は外出困難 |
火災報知器
設置が義務化されている住宅用火災報知器ですが、基本的には音で知らせるものばかりです
火災報知器が発報したら、光や振動等で知らせてくれるます
自動消火器
聞こえない時、火災報知器の発報に気づかずに消化活動が遅れる可能性があります
火災を感知したら自動で消火剤を発射する装置も日常生活用具になり得ます
聴覚障害者用屋内信号装置
チャイムの音や赤ちゃんの泣き声等、日常生活で聞き逃したくない音は多々あります
障害者用屋内信号装置はそのような音を光や振動に変えて知らせてくれます
私は制度対象外だったので、赤ちゃんのセンサーを別の製品で代替しています
別の記事で書いているのでご参考にどうぞ
携帯用会話補助装置
簡単に言ってしまえば筆談に特化したパソコン
最近ではスマホで代用できるため、需要は減っていると思われる
聴覚障害者用通信装置/ファックス
説明不要かと思いますが、紙媒体の文書や画像を電話回線によって遠隔地まで転送する装置です
家庭用FAXはあまり見かけなくなりましたが、使われている聴覚障害者の家庭もあります
聴覚障害者用情報受信装置
聴覚障害者の方向けの手話と字幕の番組「目で聴くテレビ」を見るための専用受信機です
【外部リンク】IPTVで手話・字幕を付与「アイドラゴン4」
福祉電話
僕もこの記事を書くにあたって初めて知りましたが、「耳の不自由なお客様向けに骨伝導ハンドセットを標準装備した、福祉用電話機」とのこと
電話リレーサービスのある現在では使用する機会はあまりなさそう
自己負担額と申請頻度(耐用年数)
自己負担額の計算方法
ここまで、日常生活用具給付制度について記載しましたが、結局自己負担額がいくらになるか気になりますよね
支給額を決めるルールはざっくり2つで、これを理解すれば自己負担がいくらになるのか計算できます
とある市町村の条件(例)で、自己負担額を計算します
種目 | 障害の程度 | 基準額 | 自己負担率 | 耐用年数 |
聴覚障害者用屋内信号装置 | 聴覚障害2級の者 | 85,000円 | 1割 | 10年 |
日常生活用具は各項目ごとに「基準額」が設定されています
この市町村の「聴覚障害者用屋内信号装置」は「85,000円」です
85,000円以下の価格で屋内信号装置を購入した場合は「購入価格の1割が自己負担額」で、85,000円を超えた屋内信号装置を購入した場合の自己負担額は「85,000円×0.1+基準額を超えた価格」となります
具体例を次に示します
また、市町村によっては家庭の所得によって自己負担率が変わることもありますので、注意してください
同じ器具は何度も制度を利用できるか(耐用年数について)
制度を利用するにあたって、耐用年数を念頭に入れておく必要があります
先ほど例に挙げたとある市町村の制度条件を再度記載します
種目 | 障害の程度 | 基準額 | 自己負担率 | 耐用年数 |
聴覚障害者用屋内信号装置 | 聴覚障害2級の者 | 85,000円 | 1割 | 10年 |
日常生活用具は各項目ごとに「耐用年数」が設定されており、この耐用年数を超えればもう一度制度を利用することができます
この場合、聴覚障害者用屋内信号装置を購入してから10年経過すれば日常生活用具給付制度を利用できます
10年以内に故障があって購入し直さなければならない場合でも、耐用年数を超えていないので日常生活用具給付制度を利用することは難しいです
申請の流れ
大体の申請の流れは記載しますが、市町村によって異なるので基本的にはお住まいの自治体役所に事前相談して申請を進めてください
①まずは自治体の担当窓口に相談
何はともあれ自治体の担当窓口等に相談しに行ってください
そこで、制度を利用できる条件や申請に必要な書類等を案内してもらいます
相談に行く前に先に製品を購入すると、制度を利用できない可能性があるので注意です
②必要書類(購入する製品の見積、カタログ等)を申請書と一緒に提出
相談窓口で指示のあった必要書類と、申請書を市町村へ提出します
必要書類は製品の見積書、カタログ、場合によっては医師の診断書等があります
③日常生活用具給付決定通知、給付券が送付される
提出された書類を市町村にて精査して、問題なければ「日常生活用具給付決定通知」「給付券」等が送付されます
④業者へ製品を注文する
この時「給付券」を業者へ渡して製品を注文します
自己負担額が発生する場合は自己負担額分を業者へ支払います
自己負担額以外のお金は業者が市町村へ請求します
最後に 制度が使える場合は積極的に利用を!僕たちは利用できなかったので代替案を検討
日常生活用具給付制度についてまとめました
僕たちの場合は赤ちゃんの泣き声を知らせてくれる屋内信号装置が欲しくて本制度を調べていましたが、残念ながら利用できませんでした
聴覚障害の場合、障害者手帳2級以上でないと利用できない市町村がほとんどのようで、僕たちの住む地域も同様で、妻は対象外
ここで紹介する機器はなかなか高額で、日常生活用具給付制度が利用できないとなかなか手を出しにくいです
もう少し基準を緩くしてもらえるとありがたいですが、制度の変更を訴えるのは現実的な方法ではないので、他の製品を探してやっと良いものが見つかりました
こちらも参考にしてください
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