就労移行支援の活用 〜障害者の一般企業入社への手引きとなるサービス〜

一般企業への就職を目指す場合、就労移行支援の利用も有用です

一般企業で働きたい!でも一般企業で働く自信も能力もない

そんな時は就労移行支援の活用も視野に入れて見ましょう

一般企業への入社が現実的になると思います

この記事でわかること
  • 就労移行支援とは
  • 就労継続支援との違い
  • 就労移行支援の具体的なサービス内容

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就労移行支援が良いと思った経緯

就労移行支援で紹介された障害者の方はレベルが高いと感じます

僕の職場では障害者最低法定雇用率の兼ね合いもあり、発達障害の方が何名かいらっしゃいます

【参考記事】
障害者雇用促進法の変遷と聴覚障害者の雇用環境について 〜聞こえる人の雇用状況と比較〜

残念ながら聴覚障害の方の採用はないのですが、彼らと一緒に働いて思うことは「就労移行支援」で紹介された方はレベルが高いということです

以下に、一緒に働いていて感じることを箇条書きします

・「働く意欲があるので障害等が理由で働けない人」が対象なので、基本的に仕事への意欲がある

・自分の障害を理解しているので、障害に合わせたフォローがしやすい

・働くための訓練を受けているので、仕事をするために必要なスキルがある

当然のことながら、障害に合わせたフォローは必要ですし、仕事上のことで気を病んだり衝突したりすることも多々あります

それでも「この点においては障害のない人と遜色ないな、むしろ質の良い仕事をする!」という場面もあり、一定のレベルの人材が担保されていると感じます

就労移行支援とは

就労移行支援は、障害者総合支援法に定められた福祉サービスの一つで、一般企業への就職活動を支援するサービスです

ここからは就労移行支援サービスの概要です

就労移行支援を提供する事業所(=就労移行支援事業所)では、障害のある方が就労に向けたトレーニングを行い、働くために必要な知識やスキルを習得し、就職後も職場に定着できるようサポートを行います

【参考記事】
就労移行支援事業所を選ぶポイント 〜聴覚障害者向けの支援をしている大手就労移行支援事業所〜

サービス内容

就労移行支援事業所での基本的なサービス内容は以下の通りです

基本的なサービス内容

・サービスを提供する就労移行支援事業所内や企業で作業や実習を行い、職場で必要な知識や能力向上のための訓練

・求職活動に関する支援

・サービス利用者の障害の特性に応じた職場の開拓

・就職後、職場に定着できるための相談等の支援

実際には事業所ごとにカリキュラムに特徴があったり、得意とする就職先があったりと、さまざまな違いがあります

サービス利用にあたってはいくつかの事業所を訪問して、自分に合う会社を見つけることが重要です

対象者

サービス利用者の条件は以下の通りです

就労移行支援の対象条件

・就労を希望する18歳以上、65歳未満の障害者(※1)

・身体障害、知的障害、精神障害(統合失調症やうつ病、双極性障害、適応障害、てんかんなど)、発達障害や、難病の方のある方

・一般企業への就職を目指しており、就労が可能と見込まれている方

・現在、就労していない方(※2)

※1 例外として「65歳に達する前の5年間に障害福祉サービスの支給決定を受けていた方で、65歳に達する前日において就労移行支援の支給決定を受けていた方は、当該サービスについて引き続き利用することが可能」と定められています

※2 申請を受け付ける自治体の判断により、休職中やアルバイトをされている方などの利用が例外的に認められる場合もあります。休職者については、所定の要件を満たす場合に利用が可能となります

ここで対象条件についてポイントを2つ

障害者手帳を持っていなくてもサービスの利用は可能

ここで定められている「障害者」は「障害者手帳を持っている」ことではありません

障害者手帳を持っていなくても、医師の診断書や意見書等で、障害や疾患により支援が必要であることが確認できれば利用を申請することが可能です

学生も条件次第で利用可能

通学先、申請を受け付ける自治体の判断次第となりますが、学生も利用することができます

就職活動の一環として利用することも可能です

利用期間

利用期間は原則2年間ですが、申請を受け付ける自治体に必要性が認められた場合は、更に最大1年間延長できます

また、就労移行支援を活用して就職した後に退職、他の就労移行支援事業所に移りたい場合、利用期間が残っていれば再利用が可能です

ただし、自治体によっては制度が違う可能性もあるため、自治体の役所へ確認が必要です

利用期間を過ぎてしまった場合は原則再利用はできず、「就労継続支援」への移行が一般的です

【就労継続支援に関する参考記事】
福祉的就労とは 〜一般就労との違いと就労継続支援を利用した働き方〜

新たに期間を置いて新たに2年間利用できるかどうかは、やはり自治体の判断になるようです
※障害者.com「就労移行支援は本当に障害2年までなのか」 より

利用料金

本人と配偶者の所得(世帯所得)により、利用料金は変わります

自己負担額は世帯収入に応じて4区分の負担上限月額が設定されており、サービス量に関わらず、それ以上の負担は発生しません

画像引用元:厚生労働省

就労移行支援と就労継続支援

就労継続支援と似たサービスに就労継続支援がありますが、似ているようで全く異なります

二つの制度の大きな違いはその目的です

就労移行支援は「就職するために必要なスキルを身につける」ことが主な目的ですが、就労継続支援は「就労の機会の提供、生活活動の機会の提供」が主な目的です

その目的に伴い、工賃・賃金、雇用契約の有無が異なってきます

就労継続支援には雇用契約が伴うA型と、雇用契約が不要なB型の2種類あるため、3つの制度について比較します

※就労継続支援について、詳しくは以下の記事をご参照ください

【就労継続支援に関する参考記事】
福祉的就労とは 〜一般就労との違いと就労継続支援を利用した働き方〜

  就労移行支援 就労継続支援A型 就労継続支援B型
目的 就職するために必要なスキルを身につける 就労の機会の提供、生活活動の機会の提供
対象者 一般企業への就職する
ことを希望する方
現時点で一般企業への就職が不安、
あるいは困難な方
雇用契約
報酬 有(賃金) 有(工賃)
年齢制限 65歳未満
利用期間 原則2年

就労移行支援は「就労するためのスキル習得」が主な目的であり、実際に働くわけではありません

そのため、報酬は無く、年齢制限や利用期間が定められています

就労継続支援は「働く」こと自体が目的のため、報酬が発生し、利用期間の上限はありません

利用するまでの手順

サービスを利用するまでの具体的な流れを解説します

就労移行支援事業所を探す

インターネットで検索する方法もありますが、住んでいる地域の役所にある福祉課等に相談すると、通える範囲内にある事業所を紹介してもらえます

就労移行支援事業所はカリキュラムに特徴があったり、力を入れている障害分野に特化している等、事業所ごとに強みが異なります

通える範囲内の事業所の中から3社程度目星をつけましょう

【参考記事】
就労移行支援事業所を選ぶポイント 〜聴覚障害者向けの支援をしている大手就労移行支援事業所〜

就労継続支援事業所を見学し、通所する事業所を決める

目星をつけた就労継続支援事業所へ実際に行き、説明を聞き、見学をします

事業所によっては体験会を実施しているところもあります

事業所の雰囲気を見たり、実施していることを確認したり、事業所のアピールポイントが自分にあっているか等を重視して、通所する事業所を決定します

必要な手続きを実施する

住んでいる行政窓口に就労移行支援を利用したい旨を伝えて、必要書類を用意してから受給者証の申請を行います

受給者証の発行が終わったら、就労移行事業所と利用契約を結び、サービスの提供を受けます

最後に

良い職場と出会うためにうまく制度を利用しよう

解説をしました通り、就労移行支援は一般企業で働きたい障害者にとって心強いサービスです

企業にとっても、質の高い障害者雇用をすることができるため、利用している企業も増えています

うまく活用して、良い就労先を見つけましょう

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